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パワハラ防止対策義務化とテレワーク

はじめに

年金

パワハラを防ぐため、どのような対策を行っておりますでしょうか。

これまで大企業に適用されていたパワハラ防止法の対策は、令和4年4月1日から中小企業においても義務化されます。

詳細は厚生労働省PDFにてご確認ください

近年では、新型コロナウィルスが広がったことにより、テレハラ、リモハラと呼ばれる、オンラインを介して起きるハラスメントも増加しており、オンライン上でのハラスメントについても防止対策を検討する必要があります。

パワハラ(パワーハラスメント)とは

パワハラとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの①職場内の優位性を背景に、②業務の適正の範囲を超えて、③精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」をいいます。

厚生労働省は、このパワハラに該当しうる行為として以下の6つの類型をあげています。

  1. 身体的な攻撃(暴行・傷害)
  2. 精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
  3. 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
  4. 過大な要求(業務上明らかに不要なことや 遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
  5. 過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験と かけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
  6. 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

この上記6つに該当しないからといって、パワハラに該当しないとは言い切れませんが、パワハラ該当性を判断する際の判断の指標となると思われます。

オンラインでもパワハラは発生します

上記1の「身体的な攻撃」以外については、オンライン上でも発生する可能性が十分にあると考えられます。

例えば、上司が部下に対して、チャットツールを通じて、業務時間外に返信を強要する、仕事の進捗確認を過度に要求する等の執拗な非難、業務に関係のない説教を行う、等もパワハラに該当する可能性があります。

また、文章のみの作業の指示は、対面よりも威圧的に感じることもあるため、指示をする側がハラスメント行為を自覚していないケースもあるかと思います。

もしパワハラが起こっていたとしても、オンライン上でのやりとりだと周囲が気づきにくい傾向があるため、テレワークはハラスメントが発生しやすい環境であるともいえます。

パワハラが発生した場合

パワハラに該当する行為が実際に起こってしまった場合、加害者個人が不法行為責任を追及されるだけでなく、会社にも民法上の責任として使用者責任が問われ、損害賠償を命じられる可能性があります。

もし加害者が行ったパワハラ行為が会社の行為と同視される場合は、会社が不法行為責任を負うことになります。

また、被害を認識しながら適切な措置を講じなかった場合や被害発生防止のための措置を講じていなかった等の場合には、「職場環境配慮義務」を怠ったとして、被害者である従業員から債務不履行責任を追及される可能性もあります。

パワハラを防止するためには

厚生労働省から提示されている「職場におけるパワーハラスメントを防止するために講ずべき措置」の内容に加えて、テレワーク下における社内の運用を整備する必要があるでしょう。

(例えば、就業時間外の返信強要や業務に不要なやりとりの禁止等を就業規則で定める、チャットのやりとりを管理者等の第三者も確認できるようにしておく、ビデオ会議は必ず録画する等)

パワハラ対策について詳しくはこちら

おわりに

弊所では、ハラスメント行為に関して、弁護士が使用者側の立場に立って、個別具体的にアドバイスさせていただいております。

また、就業規則の作成や改定につきましては社会保険労務士がサポートさせていただきます。

お困りの場合には、まず一度当事務所にご相談ください。