依頼者であるAさんは、相手方であるBさんから、Bさんが遺産のほとんどを取得し、Aさんが法定相続分よりもかなり低い金額のみを取得する内容の遺産分割協議書を提示され、対応に困り、当事務所に相談にいらっしゃいました。
遺産分割調停の申し立てを行いました。その中で相手方らの特別受益についても主張しました。
一方で、相手方は、被相続人と同居していたことや入所施設の費用・生活援助費用などを長年負担してきたと主張し、多額の寄与分の申立てを行ってきました。
調停が審判に移行し、その最中に依頼者Aさんが亡くなってしまったため、Aさんの相続人が手続きを継承することになり、当事務所は、Aさんの相続人から依頼を受けることになりました。
審判では、相手方らの特別受益は認められず、相手方らの寄与分も一部が認められたのみで、分割方法として、相手方が使用する不動産を相手方が取得することには争いがなかったこともあり、相手方(Cさんの相続分はBさんに譲渡されたため。)が全ての遺産を取得し、Aさんの相続人に代償金を支払う方法での分割となりました。具体的な金額は、依頼前に相手方から提示を受けた金額よりも、かなり増えました。
その後、相手方から審判の内容に納得できないとして、即時抗告がなされ、当事務所で、引き続き、抗告審も対応しましたが、適切な主張を行い、抗告は棄却され、審判の内容が確定しました。
遺産分割においては、他の相続人から、不利な内容の遺産分割協議書が提示され、署名・押印を求められることがあります。署名・押印をしてしまうと、不利な内容であっても、遺産分割が成立してしまうため、署名・押印をする前に、弁護士に相談をすべきです。
本件でも、署名・押印をする前であったため、裁判所で、必要な主張・立証を行い、過大な部分の寄与分の主張を退けた遺産分割の審判を受けることにより、適切な金額を取得することができました。
2年6か月